フロントポーチが気軽でしかも礼を失しない近隣の交際に生き生きと活用されている様子か読み取れる。それはかつての日本の縁側の接待と似てはいるか、違うのはフロントポーチは玄関の前にあるため、客を私的空間にまったく立ち入らせずにその手前で食い止めてしまうことで、これは私的空間のプライバシーを重視する戦後的住居観には縁側よりもはるかに適している仕掛けである。過密化した現代都市で私生活のプライバシーを大切にしようとすると、家のつくりはどうしても外に対して防衛的になる。
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その上、多分感じとられるであろうが、住宅設計者としてのぼくは、壁への執着にも現われているように、かなり防衛重視型に属する。ところが、これは自らへの反省をこめて言うのだが、そういう姿勢で設計された防衛的な家は、ともすれば街路に面する表情が無愛想になりがちだ。けれど、そこにフロントポーチ的な補助空間を付加すれば、住宅は私生活のプライバシーを守りつつ近隣に対して開かれた装置を持つことになり、それによって街路に面する家の表情も和らぐであろう。こういうふうに考えを進めてくると、アメリカ的なフロントポーチをそのまま模倣する必要はないが、何かそれに相当する装置を玄関の前につくることによって、かつての縁側の楽しさが現代の都市生活にふさわしい新しい形で蘇るのではないかと思えてくる。設計者としてそういう試みをすることが許される機会を待っているところである。
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